今回は、eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)というインデックスファンドについて、メリットとデメリットを解説します。
eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)とは
eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)は、日本を含む先進国と新興国の株式市場に投資するインデックスファンドです。このファンドは、MSCI オール・カントリー・ワールド・インデックス(配当込み、円換算ベース)に連動する投資成果を目指しています。このインデックスは、約50カ国の約3,000銘柄を対象としており、世界の株式市場の動向を表す代表的な指標の一つです。
このファンドの特徴は、以下のとおりです。
- 低コスト:このファンドは、運用管理費用(信託報酬)が年率0.05775%(税込)という非常に低い水準に設定されています。これは、同じインデックスに連動する他のファンドよりも安いです。例えば、同じインデックスに連動するiFree MSCI 全世界(オール・カントリー)は、年率0.15%(税込)です。低コストなファンドは、長期的に見ると、高コストなファンドよりも投資成果が高くなる可能性があります。
- 分散投資:このファンドは、世界中の多様な国や地域、業種や企業に投資することで、リスクを分散させます。一部の国や地域、業種や企業が不調でも、他の国や地域、業種や企業が好調であれば、全体としての投資成果に影響を与えにくくなります。また、為替変動の影響も軽減されます。例えば、円高になると、日本以外の国の株式は円換算で値下がりしますが、円安になると、日本以外の国の株式は円換算で値上がりします。このように、為替変動による損益が相殺されることがあります。
- シンプル:このファンドは、インデックスに連動することを目的としており、積極的な運用は行いません。そのため、運用方針や投資先の選択について、投資家が判断する必要がありません。また、売買のタイミングや手数料についても、気にする必要がありません。このファンドに投資するには、定期的に一定額を積み立てるだけで良いです。これは、投資に時間や手間をかけたくない人にとって、便利な方法です。
eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)のデメリット
一方で、このファンドには、以下のようなデメリットもあります。
- リターンの限界:このファンドは、インデックスに連動することを目的としているため、インデックスのリターンを上回ることはありません。インデックスのリターンは、世界の株式市場の平均的なリターンと言えます。そのため、このファンドに投資すると、平均的なリターンしか得られないということになります。もし、平均以上のリターンを目指したいという人は、このファンドに投資するだけでは不十分です。他のファンドや個別株など、より高いリターンを期待できる投資先を探す必要があります。
- リスクの高さ:このファンドは、世界中の株式市場に投資するため、株式市場の変動に左右されます。株式市場は、経済や政治、社会などの様々な要因によって、上昇したり下落したりします。特に、新興国の株式市場は、先進国の株式市場よりも変動が激しいことがあります。そのため、このファンドに投資すると、短期的には大きな損失を被る可能性があります。このファンドに投資するには、長期的な視点と、株式市場の変動に耐えることができる心構えが必要です。
まとめ
eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)は、低コストで分散投資ができるシンプルなインデックスファンドです。しかし、平均的なリターンしか得られないことや、株式市場の変動によるリスクが高いことも理解しておく必要があります。このファンドに投資するかどうかは、自分の投資目的やリスク許容度によって決めるべきです。このファンドに興味がある人は、詳細な情報を確認した上で、慎重に判断してください。
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